Activity details 企業様の声

株式会社タック 様

80年近くトップダウンでやってきた会社が、社員自ら考え、話し合い、実行する会社に変わり始めました。

事業内容 シールドトンネル工事における裏込め・添加材注入設備の開発・販売・リース裏込め、添加材注入材料の開発および販売 他
資本金 1,000万円
従業員数 46名(取材時)
所在地 岡山県備前市吉永町南方1073番地
URL 株式会社タック

CREDO – 私たちの信条 –

私たちは、シールド工事を始めとする地下空間の整備を通じて、人として心豊かに成長し続けると共に安心快適な「まちづくり」に貢献します。
私たちは、1000 現場以上の実績に裏打ちされる知識と技術を基にした材料と設備を提案し、いかなる課題に対しても最適な解決策を、熱意を持って迅速に提供することをお約束します。
私たちは、世界で唯一無二の技術者集団として、熱い心とチームワークでありがとうと言ってもらえる「好感度No.1」を目指します。

シールドトンネル工事における「裏込め注入」施工で世界的な実績を持つタック。その代表である瀧川信二さん、取締役技術部長の山内悟さんにクレド導入についてお話を伺いました。

まずは瀧川社長。株式会社タックの事業を紹介して下さい。

当社は、1932年(昭和7年)、陶器・耐火材の原料の採掘・販売会社「瀧川鉱業」として創業しました。1976年(昭和51年)に、硬化スピードの速い「2液型裏込め注入工法」を日本で初めて開発し、地盤が軟弱な大阪平野での 地下鉄工事における地盤沈下防止に貢献しました。
以来35年間でシールドトンネル工事における裏込施工実績は1,140件を超え、西日本では圧倒的シェアを持っています。大手ゼネコンおよび重工メーカーを得意先とし、近年はイギリス、中国、シンガポール、タイ、アメリカなど海外にも進出。海外での売上が占める割合は2010年(平成22年)の時点で4割に達し、今後も増える見込みです。

タックが裏込め注入を手がけた大阪市営地下鉄トンネル

本社事務所

機材センター

社員が主体になって進める「クレドミーティング」は、「社員自ら考える」組織風土を「上から」ではなく「下から」作る上で最適のプログラムだと思いました。

当社が抱える課題の解決にクレドミーティングが役立つのではないかと直感

瀧川社長は、どのようなきっかけで「クレドミーティング」を知りましたか。

瀧川社長:「クレドミーティング」を知ったのは、お世話になっている会計事務所さんから「クレドミーティング」体験セミナーのご案内をいただいたのがきっかけでした。
体験セミナーのチラシを読んだ時、うちが抱える課題の解決に、「クレドミーティング」が役立つのではないかと直感しました。

「『ただ与えられた仕事をこなす』という組織風土のままでは会社が立ち行かなくなることは、目に見えていました」(瀧川社長)

どのような課題の解決に「クレドミーティング」が役立つと直感したのですか。

瀧川社長:会社の組織風土を「与えられた仕事をこなす」という風土から、「やるべき仕事を自ら考える」風土に転換するという課題です。

当社は長年、「とにかく目の前の課題を解決すること」だけに集中して突っ走ってきた会社でした。社員たちに対しては、「あれをやれ、次はこれをやれ」と何でも上から指示するスタイルでやってきました。
全国でトンネル工事が盛んに行われ、次々に来る依頼をこなすだけで精一杯だった頃は、このスタイルで通用しました。しかし今、国内の仕事量は、10年前の3分の1まで減っています。
「与えられた仕事をただこなす」という組織風土のままでは、会社が立ち行かなくなることは目に見えていました。今の組織風土をなんとか脱して、「やるべき仕事を自ら考える」組織風土に変えたいという思いは、ずっと持っていました。

「クレドミーティング」を導入する前に、組織風土を転換するための取り組みを何かしましたか。

瀧川社長:はい。まず一昨年2009年(平成21年)、我々経営陣が中心になって当社の「企業理念」をまとめました。


企業理念
〔経営理念〕『顧客に満足を!』 『社員に幸福を!』 『社会に貢献を!』
1.私たちは、シールド工事の地盤沈下ゼロを追求します。
エアー系可塑状裏込め材、同時注入管、クレーショック、ミニパッカー、掘削添加材、NEOTACプラント、自動注入装置。
2.私たちは、一番ありがとうと言われる会社を目指します。
求められるニーズにアイデア・技術力をフルに提供します。現場が必要とする設備・材料の開発、地域に根差した環境技術の開拓。

〔社長の仕事〕
1.一分間の人件費を無駄にしないように会社の環境を整えます。
2.社員皆様が人間として豊かに成長できるよう共に学びます。
3.お客様と社員の「不満」を「満足」に変えることに日々努めます。

〔管理者の仕事〕
1.管理とは、仕事を指示することや報告を聞くことではありません。機会損失をなくすことです。
2.同僚や部下が行動する前にミスやロスがないよう必ず声かけします。
3.働く同僚・部下のやる気をめいっぱい引き出します。

〔行動指針〕
1.挨拶をしっかり行います。(おはようございます、お疲れさまです、失礼します!)
2.5Sをしっかり行います。(とくに掃除と身の清潔を!)
3.ネアカでいきます。(楽しい方が良いに決まっています!)
4.ホウ・レン・ソウを徹底します。(報告を受ける人も必ず何か返しましょう!)
5.自分からすすんで行動します。(信頼を得られる一番の方法です!)
6.一つひとつの仕事に魂を入れます。(常にお客さまを考えます!)
7.最後まであきらめずにやり通します。(他の人に尻ぬぐいをさせません!)
8.仕事のやり方を改善します。(さらに段取り上手になります!)
9.自分を磨き続けます。(現状とあるべき姿を常に考えます!)
10.鋭い問題意識を持って行動します。(危機感を共有しタックの未来をみんなで築こう!)

この「企業理念」をまとめたことで我々経営陣は、お金だけではない、より本質的な観点から日々の判断を下せるようになりました。また、会社の目標・志が定まったことで、経営者としてのモチベーションを改めて鼓舞されました。
ただ、この「企業理念」は、あくまで我々経営陣が作ったものです。会社全体を「自ら考える」風土に変えるためには、もっと社員たち自身に主体性を発揮してもらえる取り組みが必要ではないかと感じていました。
「クレドミーティング」体験セミナーのチラシを読んだ時、このプログラムこそ、社員たち自身に主体性を発揮してもらいながら「自ら考える」組織風土を作るプログラムではないかと思いました。セミナー当日は私に先約があったので、私の代わりに部長の山内が参加することにしました。

体験セミナーでファシリテーターの必要性を実感

実際に「クレドミーティング」体験セミナーに参加した山内部長に伺います。セミナーに参加されることが決まった時、「クレドミーティング」にどのような印象を持っていましたか。

山内部長:セミナーに参加することが来まった段階では、「クレドミーティング」と聞いても実は「何をするのかよくわからない」という印象でした。

「クレド」について、予備知識はありましたか。

山内部長:「クレド」についての予備知識もありませんでした。「岡山市内にそういう名前のビルがあるな」と思った程度でした(笑)。どちらかと言えば、セミナーの内容よりも、セミナーでお会いする他の会社の方々との「人脈作り」に期待して参加したセミナーでした。

「クレドミーティング」体験セミナーに参加した印象はいかがでしたか。

山内部長:実際にセミナーに参加して、「『クレドミーティング』は、まさに今のうちの会社に必要なプログラムだ」と思いました。

「社長も私も、既に50代手前です。この先何十年も、私たちが会社を引っ張っていけるわけ

ではありません。私たちが何でも指示する状態を改め、社員たちが自ら考え解決していくよ

うに仕向けなければ、会社の将来はないと感じていました」(山内部長)

なぜそう思ったのですか。

山内部長:一つは講師の説明を聞いて、「クレドミーティング」が組織風土を変えるために有効なプログラムであることが納得できたからです。国内における建設需要の縮小、日本の人口の減少傾向などから、先行きに対する閉塞感はずっと持っていました。

また社長も私も、既に50代手前です。この先何十年も、私たちが会社を引っ張っていけるわけではありません。そろそろ私たちが何でも指示する状態を改め、社員たちが自ら考え解決していくように仕向けなければ、会社の将来はないと感じていました。

会社としての方向や行動基準を社員自ら討論して文章化し、その実現も社員が主体になって進める「クレドミーティング」は、「社員自ら考える」組織風土を「下から」作る上で最適のプログラムだと思いました。前年に「企業理念」を完成させたのは、いわば「上から」組織風土を変える取り組みでした。「下から」組織風土を変える「クレドミーティング」がこれに加われば、私たちが目指す組織のあり方により速やかに近づけると思いました。

もう一つは、ファシリテーター(※)に司会をしてもらうと、参加者の前向きな思いや考えが引き出され、討論が建設的になると実感できたからです。
※ファシリテーター・・・「クレドミーティングプログラム」の全体進行役。中立的な立場で参加者が活発な話し合いを行うための環境づくりと手順を提供する役割。時には参加者からの発言を掘り下げ、日々の具体的な行動に結び付く言葉を、参加者から引き出したり、ゴール達成に向けての調整も行う。
セミナーの中で、「クレドミーティング」のやり方を参加者が体験するコーナーがありました。ファシリテーターは、WISHパートナーズの赤木さんでした。

参加者は私を含めて10名弱で、お互い初対面、業界も会社の規模もバラバラだったにもかかわらず、赤木さんの司会で討論すると、一人一人の思いや考えを引き出してもらいながら、全員の考えを一つの方向にまとめていくことができました。「討論にはこういう役割の人が必要なんだ」と、感銘を受けました。

私が社内の会議で司会をすると、どうしても私自身の思いが強すぎて、つい自分の考えの方に議論を誘導してしまいます。

そういう司会のやり方では、本当の意味で全員が参加する討論はできないんだということが、赤木さんの司会のやり方を見て よくわかりました。
当社の目指す方向や行動基準を社員同士で話し合い、文章化し、浸透させていくにあたっては、赤木さん のように外部の中立的な立場の方にファシリテーターを務めていただきたいと思いました。そのような討論を通じてみんなが 一つの方向に向かっていけるようになったら、うちはもっとすごい会社になると思いました。

それでさっそくセミナーの翌朝、社長に「クレドミーティング」の導入を進言しました。

瀧川社長 : セミナーがあった日の翌朝、山内が「いい話を聞いてきました!」と興奮して社長室に入ってきたことはよく覚えています。