Activity details 企業様の声

株式会社ブックス 様

「社員全員が想いを共有し、目的を明確にすることで、仕事や品質へのこだわりや意識に繋がっていくのではないか」と思いました。

事業内容 印刷・製本・加工
資本金 3,000万円
従業員数 45名(取材時)
所在地 岡山県瀬戸内市邑久町北島222-1
URL 株式会社ブックス

CREDO – 私たちの信条 –

私たちは「モノづくり」を通じて、紙の文化を伝え続けることにより、『人とのつながり・豊かな発想』を育てることを使命とします。私たちは、自分の一番大切な人に本を届けることを思い浮かべ、お客様の想いの詰まった商品を提供することをお約束します。私たちは技術と知恵と心を込めた「モノづくり」で、品質日本一を目指します。

デジタル化が進む中、「かみ」の持つぬくもり・人々が手に取ることで生まれる感動を大切にし、心に残るような「モノづくり」を続けている印刷・製本会社、ブックス。
その代表である黒田季之さん、工場長の石田さん、社員の吉田さんにクレド導入についてお話を伺いました。

まずは黒田社長。株式会社ブックスの事業を紹介して下さい。

当社は製本だけではなく印刷全般に様々なサービスを提供しています。印刷から請ける仕事も多く、印刷に関わる設計の部分から、素材・材料の選定・提案を行ったり、その製品にあった作業手順書の作成をするなど、制作する際の品質管理を含め、最終最後のお客様に発送・納品するところまでを手がけています。製本ではない部分では、ユニークなカレンダーやポップなどを受注することもあり、そういった際には企画・提案、素材の選定・購入、印刷・加工、発送(納品)まで一貫して提案するケースが多いです。
また一言に発送といっても簡単なものだけではなく、全国の何百箇所にお送りするということも行っています。そういったトータル的なサービスが提供できる技術とネットワーク・知識が積み上げられている点が当社の強みです。また、アクセア(岡山駅前店)では、企業から家庭向けまで少量の印刷や製本・ポスター・パネル・コピーなど、きめ細かな情報加工で地域の貢献を果たしています。出展して3年になりますがお蔭様で多くのなじみのお客様が増えてきました。現在は新たな出展を模索中です。

ブックス本社

ブックス工場内

アクセア岡山駅前店

クレドミーティングの常に考えるという行為が日常の仕事の中で役に立つのではないかと考えました。

クレド導入のきっかけ

黒田社長


今回クレドを導入しようと思われた理由を教えて下さい。

一つは長期間、研修を行っていなかったこともあり、社員の仕事への考え方や姿勢、チームワークが少しばらばらしてきたなぁと感じ、「このままではいかん!何か策を打たなくては」という思いがあったことです。もう一つは、クレドミーティングの「自分達で考え、自分達で行動を起こして取り組む」というオーディーエルさんからの提案です。基本的に当社の社員は、一人ひとりは良く頑張ってくれているのですが、少し受身の姿勢で構えてしまいがちなところがあったので、仕事に関して主体的に問題意識を持ち、気づいたことに対して自分達でアクションを積極的に起こすようになってほしいという思いがありました。

クレドの進め方やプロセスに着目されたということですね。

そうです。こちらから指示や問題提起をして初めて対策を練るのではなく、まずは社員が仕事を進めていく上で問題点に気づき「こうしよう」「ああしよう」と自分たちで意見を出し合い施策を考えるということ、更にその提案や意見を社員がボトムアップできる環境を作っていくことが大切だと思いました。社員が思考することに慣れていないため、非常に難しいチャレンジだとは思いましたが、思い切って任せてみることにしました。
またクレドミーティングは、クレドを作成して終わりではなく、作成後はクレド推進委員会(社員でメンバーを選抜)を作り、自分たちが掲げたことができているかどうか、また会社で起こっている問題について月に一回、継続的に考える機会があるので、常に考えるという行為が日常の仕事の中で習慣になっていってほしいと考えました。そのために私のマネジメントのあり方自体も再度見直す機会を頂きましたので、私もしっかりサポートするつもりです。


問題や課題は具体的にどのようなものがありましたか?

工場で出るミスやお客様からのクレームなどの原因が当社で決まって いるルールを守れていないために発生するケアレスミス(凡ミス)が多い ということです。当社はISOやプライバシーマークを持っていますからルー ルをたくさん設けているんですが、決めている通りにできていないことが多々ありました。例えば、サンプルと照合して確認をしてからスタートしないといけないのに確認をしなかった・忘れたなど・・。

いくらいいルールやシステムをつくったとしてもやらなかったら全くもって意味がないですよね。 ミスやクレームの原因対策を出し、こちらから「きちんとルールを守るた めに改善策を考えなさい」と社員に提示し、指令をすれば今のミスはなく りますが、言われたから「やる」というのは最終的な解決方法にならないと思いました。結局、同じようなケアレスミスを繰り返すことになりがちですしね。

なるほど。では、導入する前に期待されていたこと・目的は「言われる前に自分たちで考え、実行する」環境を構築 するということですか?を経営者ではなく社員が作成する進め方について、具体的にはどのような意義があると感じられましたか。

そうです。それから、自分たちが行っている仕事が世の中に貢献しているんだということを認識してもらうと共に仕事に対しての誇り(プライド)を持ってもらうということですね。特に、工場の場合はお客様と直接触れ合うことが少ないですから、お客様のためになっている、感謝されているということが実際には分かりづらいんですよ。ですから、ついお客様よりも自分たち中心で仕事を進めてしまうことがあったりするわけですね。頭では分かっていても行動が伴っていないという現状がありました。そのあたりも、クレドミーティングで「なぜ、何のためにそれを行うのか」しっかり考え、「する」内容(行動基準)の「目的」を明確にし、全員で共有することで、仕事や品質へのこだわりや意識につながっていくのではないかと考えました。

仕事を離れて全員が集まり意見交換する良い機会になりました。

実際にクレドを作成している風景を見てどのように感じられましたか?

とても良かったですね。意見の良い悪いは別としていろんな意見が出てきましたし、会場も会社ではない場所で実施したので、仕事を離れて全員が集まり意見交換する良い機会になりました。今までそういう機会がなかったですから。それに加えて借りた会場の雰囲気も、赤木さん(クレドミーティングのファシリテータ)のキャラも良かったですし、非常に話がしやすい環境でしたね。

相手の立場を考え、主体的に考えて仕事をする人になってほしい。

今後の期待

社員の皆様にどのようなことを期待していますか?

まずは自分たちの仕事に誇りと自信をもってもらい、クレドを実践してもらうことですね。二つ目はお互いに協力し合って一つの目的に向かって行動を起こしていって欲しいですね。自分の持ち場の仕事が完了してそれで良しということではなく、困っている仲間がいないか常に周囲を見渡し、困っている人がいれば手助けをするなど、個人ではなくチームワークで一つの仕事を達成することで、よりよい仕事に繋げて欲しいと思います。三つ目は相手の立場になって考えるということです。仲間でもお客様でも分け隔てなく、大切なパートナーという思いをしっかりもってもらい、仕事を進めて欲しいですね。そして最終的に今言った三つのことを主体的に考えて仕事をする人になってほしいですね。

今後、オーディーエルに期待・要望はありますか。

オーディーエルさんとはクレドだけではなくその他の研修を通じてお付き合いをさせてもらっているので、そういった活動を通して見えてくる問題点や浮き彫りになってくる新たな課題に対して一緒に解決していけるような活動をしていってほしいですね。また、クレドに関しては、話し合いやクレドを浸透させていく際のリーダーシップの在り方やコミュニケーションのとり方など、今後の仕事のやり方にもつながっていく部分もあるのでトータル的にフォローをしていってもらえることを期待しています。


作成に関わった工場長の石田さん、社員の吉田さんにもお話を伺いました。

クレドを導入することになって

クレドを導入すると言う話を聞いて最初はどのように思われましたか。

一番初めにクレドに関する説明を聞いて、クレドとは 従業員同士で、会社が良くなっていくための具体的な行 動一つ一つを決める約束なのだという認識ができました。
自分たちで考え、作成し決めていくものなので、実行することは可能だと思いました。

石田さん

実際の作成を通して苦労したこと、得られたこと

作成の際には「本当にできるか?」ではなく、「どうすればできるか」を考えて取り組むように気をつけていました。できないと思ってしまったらそこで思考が止まってしまい、全体がネガティブな雰囲気になったり、前向きな意見が出にくくなってしまうことがあるので、その部分は特に注意しました。
困難だった点は社員同士で決めた事で社長の思いをもう一度確認する機会があり、一度決定 していたクレドを再度皆で考え直すことがありました。思いを理解して前向きにやっていたはずが、どこかで少し弱気になってしまっていたということがありましたね。また、発表の際の司会進行にも苦戦しました。発表者が片寄ってしまったり、全員の意見が聞 けないこともあり、話し合いの進行役の役割を決めて進めていったことが勉強になりました。

クレドが完成して

ついに自分たちの志や行動指針が完成し、プレッシャーも感じますが、自分たちが決めたからには、必ず実行するという意識が強まりましたね。
まずはクレドを浸透させるために、社員同志でメンバーを選抜して推進委員会を作り、月一回 のクレドマンスリーミーティングでクレドの実践度合いのチェックや実行する際に障害や課題があった場合の新たな施策を考えたり、改善を行っています。
また、工場見学者の方々への挨拶の仕方がなかなかうまく実践されないため、決めた挨拶の仕方の発声練習もしています。

クレドという言葉を初めて聞いて

クレドという言葉を初めて聞いたときにそれ自体の意味は 正直な所よく分かりませんでした。 導入前の研修で、「社員の信条」ということは分かったのですが、それが経営理念とはどう異なるのか、はっきりとはまだ 理解しきれていませんでしたから、「何をすればよいのだろう」 というのが最初の感想でした。

吉田さん

作成中に気をつけたこと

発言する際には独りよがりの意見にならないように注意し ました。会社全体としての行動基準となる為、限られた人や 部署にだけ当てはまるものではあってはならず、また全員の 同意が得られないものであってもいけません。一つ一つの意見それ自体は尊重しながらも、それがクレドとして適切かどうかというところに注意しました。

実際の作成を通して苦労したこと、得られたこと

当社は営業と工場とに分かれており、また工場も部署毎に分かれています。同じ会社ではあ るものの、一つの観点に対する考え方や捉え方が、当然ながら異なっていました。「考え方」は意見として多く出るのですが、ではその考えを達成する為に「何をするか(実際の行動は何か)」という具体的行動(クレドベーシック)がなかなか決まらず、そんな状態の中から会社全体として意見をまとめていくというのは大変困難で難しい作業でした。「それをするのは面倒だ」といったマイナス要因から意見が出にくかったというのも実際の所あったと思いますが、仕事について全員で深く考え、意見を交わすことで、その部分を乗リ超え、何とか形になっていったことは貴重な経験でしたし、具体的行動基準が盛り込まれたクレドが完成した時には、苦労した甲斐があったと感じました。

クレドが完成して

クレドの完成後はやっとできたという達成感と、決めたからには実行していかなければという責任を感じました。完成に満足せず、今後も必要事項の追加や改定が成されていくよう、建設的なクレドにしていきたいと考えています。その為に、毎週月曜の全体朝礼において、「推進クレド」をクレドベーシックの中から3~4つ選んで全員で唱和し、クレドの内容を確認しています。また、社内各所にクレドのパネルを掲示し、いつでもチェックできるように「見える化」しています。
また、クレドを浸透させていくための今後の取り組み課題として、月1回のペースで推進委員会議(クレドマンスリーミーティング)を行い、追加・修正・改善を引き続き行い、内容を更に進化させていく予定です。

―ブックスの皆様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。